5 わが国の政府とハイテク犯罪

 

デンヴァー以降のサミットなどの影響もあって、わが国の政府機関でも、「ネットワーク犯罪」よりも「ハイテク犯罪」という言葉を使用するのが一般的となった。

すなわち、199810月に警察庁は「ハイテク犯罪対策重点推進プログラム」を公表しており、同年版の「警察白書」では、「ハイテク犯罪の現状と警察の取組み」がテーマに選ばれている。

この白書では、「ハイテク犯罪とは、1997年(平成9年)6月に開催されたデンヴァー・サミットの『コミュニケ』において、『コンピュータ技術及び電気通信技術を悪用した犯罪』を意味する言葉として用いられており、国際的に定着した用語となっている。」としている。

 首相の高度情報通信社会推進本部が199811月に改訂した「高度情報通信社会に向けた基本方針」にも「ハイテク犯罪対策・セキュリティ対策・プライバシー対策」という項目が置かれている。

これは1995年に決定されていたものを改訂したものであるが、改訂前の項目「セキュリティ対策、プライバシー対策」に、この改訂の際、「ハイテク犯罪対策」が付加されたことになる。

また、20002月に公表された「警察庁情報セキュリティ政策大系」でも、「ハイテク犯罪対策の推進」が柱の一つになっており、現在の警察庁のウェブサイトにも「ハイテク犯罪対策」というウェブページがある。

 

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