4 著作権侵害監視用ロボットの登場

 

 

 しかし、このような条約や法律による対応だけで、本当にネット上のデジタル著作権問題が解決できるのかという点については疑問を持つ人も多い。いくら法律などで禁止しても、技術的に見れば、そのままでは簡単にコピーできることには変わりないからだ。

 そこでコピープロテクトを掛ける方法も考案されているが、筆者が最近注目しているのが「電子透かし技術」(Digital Watermark)である。

「電子透かし技術」は、人間の目や耳で知覚できない形で著作権情報をコンテンツに埋め込んで著作権管理を行なう。デジタルデータに紙幣の「すかし」をいれたと考えればいいだろう。

埋め込まれた情報は、コンテンツの加工や改竄に対しても耐性があり、後日、著作権侵害を追及する際の大切な証拠となる。「たまたま同じような作品ができただけだ」とする「言い逃れ」を認めないで済むからだ。

しかし、この方法にもまだ問題がある。これだけだと、誰が最初に著作権侵害を行なっているのかを追跡することは困難になってしまうからだ。

そこで最近登場したのがインターネット上に著作権監視用ロボットを自動巡回させてコンテンツのDigital Watermarkと照合し、著作権侵害サイトを割り出すというシステムである。これは、サーチエンジン用の検索ロボットを応用したものと考えれば理解しやすいであろう。

 もともとサーチ・ロボット(Web Robots)というのは、インターネットのイエローページ(検索エンジン)のために、コンテンツを収集する目的でサイバースペースを24時間駆け回っている(正確に言えば、相手先のウェブにコンテンツを送信するようコマンドを出すという作業)ものだ。

現在では、大手検索エンジンの Infoseek Lycos、それに DEC ALTAVISTA などはこれを使っている。

日本の検索エンジンでも、早稲田大学が誇る千里眼や、京大の RCAAU、東大の ODIN から NTT TITAN に至るまで、昼夜を問わずネットの中を自動巡回しているロボットを数えればキリがない。

そこで、このサーチ・ロボットを応用し、サイバースペース上の著作権侵害を監視させようというのだ。実際に、米国のBMIIntersect、日本の株式会社エム研などといった複数の企業が、このような監視技術の開発にしのぎを削っている。 

 

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