新民事訴訟法の施行に伴う裁判所への訴状その他の書類を提出する際の留意点

−民事事件を中心として−

平成10年1月14日


弁護士 小倉 真樹

(奈良弁護士会会員)

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 本稿は、筆者(小倉)が、平成10年1月14日、奈良弁護士会の事務職員研修にて講義をした際の資料である。

 なお、別紙資料「民事訴訟手続の流れ(第1審)」も併せて参照されたい。


目   次

 

第1 民事訴訟法改正の概要と目的

第2 新しい民事訴訟法のもとでの審理

    (地方裁判所における書類関係を中心に)

1 訴えの提起

2 答弁書

3 期日外釈明

4 争点整理手続等

5 準備書面

6 書証等

7 証人尋問、当事者尋問

8 口頭弁論調書(法160)

9 判 決

10 和 解

11 書記官事務の見直し

第3 その他の改正

第4 経過措置と今後の取り扱い

 

【参考文献】

 

【資 料】

ファクシミリを利用して裁判所に提出することができない書面の代表例

送付・直送を要する書面の代表例

訴状の記載事項と根拠法規

答弁書の記載事項と根拠法規



 

第1 民事訴訟法改正の概要と目的


 平成10年1月1日から、民事裁判の基本的ルールを定める民事訴訟法が約70年ぶりに改正施行されました。


 今まで地方裁判所で行われていた民事裁判は、ともすれば、出たとこ勝負の主張立証、書類交換だけの(しかも1,2ヶ月毎の)口頭弁論期日、量を出せばよいかのような書証、五月雨式の(しかも2,3ヶ月毎の)証人調べ、何人もの裁判官の交代のあげく、争点を外した判決が出される、といった、形式的かつ無計画な審理方式によって、国民にわかりにくく時間が掛かりすぎた面がありました。


 今回の改正はこれをあらため、裁判の最初の段階から当事者双方が主張と証拠を出し合い、期日だけでなく期日間にも十分な調査を行い、期日において事件の真の争点を早期に明確にし、この真の争点に集中して証人尋問などを行い、審理に実質的に関与した裁判官が争点にそくした判決を下す、というように、実質的かつ計画的な審理を行い、迅速適正な国民に利用しやすくわかりやすい民事裁判を目指すものです。


 改正内容は、訴状や答弁書、準備書面の記載の充実、争点整理方法の整理新設、当事者の証拠収集手段の拡大、集中証拠調べの実施などの審理の実質面だけでなく、電話会議による争点整理、テレビ会議による証人尋問、裁判所や当事者間でやりとりする書類の提出送付方法、書記官の職務拡大など、審理の手段、形式面にも及んでいます。


 改正法には「裁判所と当事者の責務」と題する条文が新設されました(民事訴訟法第2条「裁判所は、民事訴訟が項公正かつ迅速に行われるように努め、当事者は、信義に従い誠実に民事訴訟を遂行しなければならない。」)。


 この規定を待つまでもなく、今後、当事者の代理人としての弁護士は、裁判の提起前後を問わず、事件の争点と証拠をすべて早期に把握し、相手方や裁判所とのやりとりに適切に応じることができるようしなければなりません。


 裁判所の意気込み、国民の期待も大きいだけに、当事者にもこの改正内容を理解してもらい、今まで以上に、早い段階から当事者と信頼関係を確立し、充実した打ち合わせ、証拠収集、現場確認などを行うことが必要となります。


 なお、今回の民事訴訟法の改正は、その目的を達するため、地方裁判所における通常の民事裁判の審理手続だけでなく、管轄、和解の方法、判決内容、大規模訴訟の審理手続、控訴審や上告審における審理手続、簡易裁判所における民事裁判・督促手続・少額訴訟など、様々な場面にも及んでいますので注意が必要です。

 


 

第2 新しい民事訴訟法のもとでの審理

        (地方裁判所における書類関係を中心に)

 1 訴えの提起

 訴訟は原告が訴状を管轄裁判所に提出することで始まります。


 以下に述べるように、原告から依頼を受け代理人となった弁護士は、従来以上に訴訟提起前から事実と証拠を十分に調査収集し、充実した訴状を作成し、重要な証拠を添付することが求められることとなります。

@ 訴状の記載事項

 今回の改正により、裁判所と当事者双方が早期に主張と立証関係を明らかにして、期日における充実した審理を行うことができるようにするため、訴状には必要的記載事項である請求の趣旨と請求の原因だけではなく、請求を理由づける事実(主要事実)を具体的に記載し、かつ、立証を要する事由ごとにその事実に関連する事実で重要なもの(重要な間接事実)及び証拠(証拠方法)を記載しなければならず、この場合、主要事実と間接事実とはできる限り区別して記載しなければならないとされました(民事訴訟法133,民事訴訟規則53)。


 また、訴状の形式的な記載事項としては、必要的記載事項である当事者・法定代理人の氏名、住所はもちろん、郵便番号、電話番号、ファクシミリ番号の記載が規則に明記され、原告が行うべき送達場所及び送達受取人の届出、届出場所と当事者等との関係も記載しなければならなくなりました(法104,規41)。


 その他、訴えの提起前に証拠保全が行われた場合は、訴状に証拠保全のための証拠調べを行った裁判所及び証拠保全事件の表示を記載しなければなりません(規54)。

A 訴状の附属書類

 次に、訴状と一緒に裁判所に提出する書類(訴状の附属書類(規2@三))にも、今回の改正の目的を達成するための改正がなされました。


 訴状の添付書類として、不動産に関する事件の訴状には登記簿謄本を、人事訴訟の訴状には戸籍謄本を、手形又は小切手に関する事件の訴状には手形又は小切手の写しを、それぞれ添付しなければなりません(規55@)。

 なお、これらの書類は、判決書に誤記が生ずることを防止するために被告側の応訴態度の如何を問わず添付しなければなりません。また、立証を要すると予想される事由について重要な書証の写しを添付しなければなりません(規55A)。

 その他、今回の改正で新設された定期金による賠償を命じた確定判決の変更を求める訴え(法117)については訴状にこの確定判決の写しを添付しなければなりません(規49)。


 これらの添付書類は原則として被告の数に応じた写しを添付しなければなりませんが、書証番号を付して提出することにより書証の写しの提出とすることができ(規137@参照)、なお被告が明らかに争わない場合、複数の被告に同一の代理人が付く可能性が高い場合などは柔軟な運用が行われる場合があると考えられます。


 次に、被告に対する訴状の送達(法138@)は原告が提出する訴状副本によってする(規58@)ので、原告は被告の数に応じた数の訴状副本を提出しなければなりません。


 その他の附属書類として、訴訟委任状、資格証明書(当事者が法人の場合)、固定資産評価証明書(不動産に関する訴えの場合の訴額算定のため)があり、それぞれ裁判所用に原本を提出すればよいことに変わりはありません。


 なお、法定の事項ではありませんが、人事訴訟においては裁判所から検察庁に通知する(人事訴訟手続法5、26、32)関係上、訴状の写しを一部余分に添付して欲しいとの要望が裁判所からあり、弁護士会としてもこの要望に応じることになっています(平成5年10月13日第一審強化方策地方協議会確認)。

B 訴状の審査、補正、参考事項の聴取

 提出された訴状は、裁判所の訴状審査を受け、不備があれば裁判長の命を受けた書記官が補正の促し(規56)を行うことになります。訴状の不備が訴状の必要的記載事項に関するものである場合は、補正に応じなければ裁判長が補正命令を出し(法137@)、これにも応じなければ訴状は却下されることになりますが、実質的に記載すべき事項の不備の場合は、とりあえず第1回口頭弁論期日の指定がなされることになります。


 なお、今回の改正により、裁判長の命を受けた書記官により、第1回口頭弁論期日前に、当事者から訴訟の進行に関する意見その他訴訟の進行について参考事項の聴取ができることとなりました(規61)。

 具体的には、各裁判所より訴状受付時に交付される「照会書」その他の名称の書面により原告代理人としてこれに回答することとなります。

C 第1回口頭弁論期日の指定と訴状・呼出状の被告への送達

 第1回口頭弁論期日の指定は、原告側に対しては、通常、裁判所(書記官)から原告側代理人事務所に対し電話で事前に打ち合わせの上なされますが(簡易呼出、法94@に言う「その他相当と認める方法」)、これに対し原告側代理人として「期日請書」(法94Aただし書に言う「期日の呼出を受けた旨を記載した書面」)を裁判所に提出しなければなりません。


 被告に対しては、裁判所から訴状副本(法138、規58)と呼出状(法94@)が送達されることになります。裁判所によってはこの時に被告に対して答弁書の催告の文書や、訴訟の進行に関する意見その他訴訟の進行について参考事項の聴取のための「照会書」が同封されます。


 なお、当事者の意見を聞いて(法168、175)、第1回口頭弁論の指定がなされないで、新設された後述の争点整理手続の中の弁論準備手続(当事者に異議がない場合)又は書面による準備手続が行われる場合もあります(規80)。


 訴状・呼出状の送達手続についてはほぼ従前とおりであり、通常の方法で送達できない場合など、書記官に対して公示送達の申立を行うこととなり(法110@)、この場合、被告の住所、居所その他送達すべき場所が知れないことを証明するため、被告の住民票の写しや所在調査報告書などを附属書類として提出する必要があります。

D 公示送達と意思表示

 なお、公示送達の場合の重要な改正点として、公示送達の相手方に対する意思表示の到達も認められることとなりました。


 すなわち、私法上の意思表示を含む書類が公示送達されたときは、その意思表示は公示送達のための掲示を始めた日から2週間を経過したときに相手方に到達したものとみなされることとなり(法113)、例えば、賃貸借契約解除の意思表示を訴状に記載して公示送達により相手方に到達させることができるようになりました。

 

 2 答弁書

 被告にとって裁判は訴状・呼出状を裁判所から受け取ることにより始まります。


 事前に相談を受けていた被告からの場合はもちろん、裁判を予期しなかった被告から依頼を受け代理人となった弁護士は、原告側以上に、事実と証拠を至急十分に調査収集し、早期に充実した答弁書や準備書面を作成し、重要な証拠を添付して裁判所に提出することが求められることとなります。

@ 答弁書の記載事項

 裁判所と当事者双方が早期に主張と立証関係を明らかにして、期日における充実した審理を行うことができるようにするという今回の改正の趣旨を生かすため、答弁書についても、請求の趣旨に対する答弁だけでなく、原則として訴状に記載された事実に対する認否及び抗弁事実を具体的に記載し、かつ立証を要する事由ごとにその事実に関連する事実で重要なもの(重要な間接事実)及び証拠(証拠方法)を記載しなければならず(規80)、この場合、主要事実と間接事実とはできる限り区別して記載しなければならないとされました(規79A)。


 ここで、新たに明文で規定されたことは、相手方の主張事実を否認する場合にはその理由を併せて記載しなければならないことになり、いわゆる単純否認は禁止されることとなりました(規則79B)。


 また、答弁書の形式的な記載事項として、当事者・法定代理人の氏名はもちろん、被告代理人の住所だけでなく、郵便番号、電話番号、ファクシミリ番号の記載が必要とされ、被告が行うべき送達場所及び送達受取人の届出、届出場所と当事者等との関係も記載しなければならなくなりました(法104,規41)。

A 答弁書の附属書類

 訴状と同様に、答弁書の添付書類として、立証を要すると予想される事由について原則として重要な書証の写しを添付しなければなりません(規80A)。


 その他の附属書類として、訴訟委任状があり、裁判所用に原本を提出すればよいことに変わりはありません。

B 答弁書の提出

 答弁書その他準備書面は、本来原告が記載事項について準備するのに必要な期間をおいて裁判所の提出されなければなりません(規79@)。

 特に、答弁書は、これを提出しないまま被告や被告側代理人が第1回口頭弁論期日に欠席すれば、原告の主張を争わないものとしてそのままその日に敗訴判決を受けることになります(法254)ので、注意が必要です。


 ただし、被告側としては第1回口頭弁論期日までに詳細な内容の答弁書や書証の写しを提出することが困難である場合もあり得ることから、所定の記載や書証の写しの添付ができない場合は、答弁書の提出後速やかに補充の準備書面や書証の写しの提出が求められています(規80@、A)。

 
 なお、前述のように、第1回口頭弁論の指定がなされないで弁論準備手続(当事者に異議がない場合)又は書面による準備手続が指定される場合もあり(規60)、その場合、被告も当事者の意見を聞かれることとなります(法168、175)。

C 答弁書の提出、直送の方法

 ここで、答弁書もその一種とされる準備書面の授受にあたっては大きな改正がなされました。


 すなわち、答弁書その他準備書面は、裁判所に提出するときはファクシミリを利用することができることとなり(規3@)、当事者間では直送することが原則となりました(規83@)。

 この当事者間の直送は、書類の交付又はファクシミリを利用した送信によるものとされました(規43@)。

 また、答弁書その他準備書面の直送を受けた相手方は、原則として当該書面を受領した旨を記載した書面(受領書面)を、相手方に直送するとともに、裁判所に提出しなければなりません(規83A)。

 受領書面が不要とされるのは、直送を受けた相手方に受領した旨の記載(従来の「受領印」)をしてもらった答弁書その他の準備書面を裁判所に提出する場合に限られます。


 ただし、答弁書その他の準備書面の直送を困難とする事由その他相当とする事由があるときは、答弁書その他の準備書面の相手方への送達又は送付を裁判所書記官に行わせるよう申し出ることができます(規47C)。相手方が当事者本人訴訟である場合のように、相手方から受領書面又は受領印を得ることが期待できない場合の救済方法です。


 新しい方法を答弁書に即して言えば、被告代理人は裁判所と原告代理人事務所に答弁書をファックスすることにより提出と直送をしたことになり、答弁書の直送を受けた原告代理人は受領書面を裁判所と被告代理人にファックス送信することが必要となったのです。

 また、双方代理人の事務所の位置関係によっては、答弁書副本を原告代理人事務所に持参して交付し、答弁書正本に原告代理人の受領の記載をもらってから裁判所に答弁書を提出する方法も考えられます。


 なお、ファックスにより提出された書面は裁判所が受信したときに裁判所に提出されたものとみなされ(規3A)、裁判所で受信された書面がそのまま答弁書その他の準備書面となります。

 ですから、ファックスにより答弁書その他準備書面を提出する場合は、一通だけ印字して代理人の記名押印をして裁判所と相手方に送信し、そのまま控えとすれば良いわけです。

 正本や副本の表示は不要であり、契印や割り印も不要となりますが、ページが跳んでファクシミリ送信されることを防ぐためには書面にページ数を明記しておくことが今まで以上に肝要となり、逆に直送を受ける側のチェックも重要となります。


 また、ファクシミリによる提出直送が原則となるため今まで以上に担当係と次回期日を明記する必要もあるでしょう。


 ただし、訴訟委任状はファックスによる提出が認められていませんので(規3@三)、原本を裁判所に送付又は持参する必要があります。


 このような書面の提出と直送方法は、答弁書その他準備書面だけでなく、証拠申出書(規則99)、尋問事項書(規則107)など、かなりの書面に適用されます(逆に言えば、ファックスによる提出が認められない書面の範囲(規3@)には注意が必要となります)。

D 答弁に対する反論

 被告の答弁により反論を要することとなった原告側は、答弁書に記載された事実に対する認否及び再抗弁事実を具体的に記載し、かつ立証を要することとなった事由ごとにその事実に関連する事実で重要なもの(重要な間接事実)及び証拠(証拠方法)を記載した準備書面を提出しなければならず、立証を要することとなった事由について重要な書証の写しを添付しなければなりません(規81)。

 3 期日外釈明

 裁判長が当事者に対して訴訟関係を明瞭にするため事実上及び法律上の事項に関し質問し又は立証を促すことを釈明(法149、151)と言います。


 今回の改正ではこの釈明を期日外で行うことが明確化されました(期日外の釈明)。この期日外釈明は裁判長等が書記官に命じて行わせることとされました(規則63@)。

 なお、期日外釈明は、当事者の片一方にだけになされるという危険性に鑑み、、攻撃又は防御の方法に重要な変更を生じる事項について期日外釈明を行ったときは、その内容を相手方に通知しなければならず(法149C)、書記官はその内容を訴訟記録上明らかにしなければなりません(規63A)。


 日弁連等は期日外釈明を原則としてファクシミリ等により書面で行い、相手方にも書面で通知することを求めていますが、裁判所の運用は電話による釈明も行うとされていますので、今後は事務所への期日外釈明があった場合、弁護士が直ぐに応対できるような記録の整理、釈明事項の記録が重要となります。

 4 争点整理手続等

@ 争点整理手続等

 争点及び証拠の整理手続の新設整備は今回の改正の焦点のひとつです。


 改正法は従来とおりの「口頭弁論」以外に、「準備的口頭弁論」(法164〜167)、「弁論準備手続」(法168〜174)そして「書面による準備手続」(法175〜178)の争点整理手続を取り揃え、その他訴訟の進行に関して必要な事項について協議する「進行協議期日」(規95〜98)を設けました。


 争点整理手続の詳しい内容は別表のとおりですが、整理された争点は裁判所と当事者との間で確認され(裁判官の作る「争点整理案」の形のこともあれば、調書に記載されることもあれば、当事者の作成する「要約書面」(準備書面の一種)の場合もある)、以後新たに攻撃防御方法を提出する場合は提出が遅れた理由を説明しなければならず、今後の集中証拠調べはこの争点について行われる(法182)などの取り扱いとなります。


 従って、当事者いずれの側の代理人弁護士も、早い段階から真の争点と真の証拠を十分把握し、かつ当事者にも争点整理の重要性を認識し、主張の整理や証拠の収集に対応してもらうことが必要です。


 なお、弁論準備手続や書面による準備手続、進行協議期日においては、当事者や代理人弁護士が裁判所に行かなくとも手続を行えるように「裁判所及び当事者双方が音声の送受信により同時に通話することができる方法」(電話会議システム)による審理が可能となりました。

 事務所において電話を利用して審理が行われるわけですから、電話の応対等の配慮が必要となるでしょう。

A 当事者照会制度

 今回の改正では、当事者自身が相手方に対して直接、情報や証拠を収集する手段として、当事者照会の制度を新設し、証拠の偏在を是正し争点の早期把握を可能としました。


 すなわち、当事者は、訴訟係属中、相手方に対し、主張又は立証を準備するために必要な事項について、相当の期間を定めて、書面で回答するよう、書面で照会することができるのです(法163)。

 なお、この照会に応じないでよい場合は限定されています(法163ただし書)。照会書及び回答書の記載も定められ(規84A、B)、照会書は相手方に代理人がいる場合は代理人に送付するとされています(規84@)。郵便だけでなくFAXによる送付も可能です。

 この手続は、弁護士会の要求によって新設されたもので、全く裁判所が関与しない手続である点に特徴を有しています。一方の当事者に代理人がつかない本人訴訟の場合など、照会の濫用や逆に回答無視などがあるかも知れません。双方に代理人が付いている場合でも、この制度において不回答に対する直接の制裁がないだけに、回答無視があるかもしれません。

 この制度の結果が訴訟においてどのように使用され、どのように評価されるか、これからの課題ですが、この制度が効果を挙げられなければ代理人である弁護士全体の力量が問われることとなります。

 5 準備書面

 今回の改正においては口頭弁論や争点整理手続などの期日において実質的な意見交換による充実した審理が可能なように、逆に言えば今までのような単なる書面交換の儀式に終わらないよう、充実した準備書面が、期日の前に余裕を持って提出されなければなりません。

 準備書面の記載方法としては、訴状、答弁書と同様に、請求を基礎づける事実、抗弁事実又は再抗弁事実についての主張とこれらに関連する事実についての主張とを区別して記載しなければなりません(規79A)。

 相手方主張の事実を否認する場合はその理由を記載しなければなりません(単純否認の禁止、規79B)。また、立証を要する事由ごとに証拠を記載しなければなりません(規79C)。

 準備書面を争点整理に適したものとするために、図面の活用、文字飾りやフォントの活用、相手方提出書面の記載を上段や右ページに記載し対応する主張や反論を下段や左ページに記載するなどの表現上の工夫も提唱されています。

 準備書面の事前提出のために、裁判長が準備書面や証拠の申出(法162)をすべき期間を定めることがあります。そもそも準備書面は相手方が準備をするのに必要な期間をおいて裁判所に提出するとともに(規79@)、相手方に対し直送をしなければなりません(規83@)。

 なお、準備書面の提出及び直送、受領書面の具体的手続は先に答弁書について詳しく述べたとおりです。

 ファクシミリにより提出された書面が裁判所が受信したときに裁判所に提出されたものとみなされ(規3A)、裁判所で受信された書面がそのまま準備書面となり、ファックスにより答弁書その他準備書面を提出する場合は、一通だけ印字して代理人の記名押印をして裁判所と相手方に送信し、そのまま控えとすれば良く、正本や副本の表示は不要であり、契印や割り印も不要となります。

 ただし、ページが跳んでファクシミリ送信されることを防ぐためには書面にページ数を明記しておくことが今まで以上に肝要でしょう。また、ファクシミリによる提出直送が原則となるため、担当係と次回期日を明記する必要もあるでしょう。

 6 書証等

@ 公証人宣誓供述書、陳述書

 新しい書証の種類として公証人の面前で記載内容が真実であることを宣誓して公証人の認証を受ける制度が新設されました(宣誓供述書、公証人法58ノ2)。これをどのように利用すべきかは未だ不明ですが、その証明力については一般の陳述書と変わりないとの考え方が強いことに注意すべきです。

 当事者や証人となるべき人の陳述を書面にした陳述書については、証明力としては準備書面の程度しかないとの考えもあれば、裁判官の事実認定を誤らせるとの考えもあり、裁判官や弁護士の間でも評価は様々です。

 しかし、当事者や証人となるべき人に、早期に言いたいことや知っていることを明確にしてもらうことは、代理人にとっても争点や証拠の把握に役立ちますし、裁判所に対しても争点を理解させる有益な道具ともなるます。

 改正民訴法の下での審理に対応するためにも陳述書を積極的に作成し活用すべきであると考えます。

A 書証の申出(文書の提出)

 書証の申出の方法には、

a 文書の提出(法219)、

b 文書提出命令の申立(法219)、

c 文書送付嘱託の申立(法226)、

があります。書証の申出も証拠の申出ですので、本来、証明すべき事実及び事実と証拠との関係を具体的に明示してしなければなりません。

 コピーの発達により、今まではともすれば立証の必要性の検討がおろそかなまま、書証が多量に提出されている傾向にありました。

 そこで、文書を提出して証拠の申出をする場合は、申出をする前にその文書の写し(裁判所と相手方用)を裁判所に提出するとともに、文書の記載から明らかな場合を除き、文書の標目、作成者及び立証趣旨を明らかにした証拠説明書(裁判所と相手方用)を裁判所に提出しなければならなくなりました(規137@本文)。

 この「文書の記載から明らかな場合」とは、離婚事件の戸籍謄本や不動産に関する事件の係争土地の登記簿謄本などが該当します。
 なお、証拠説明書は、訴状、答弁書、準備書面に必要な証拠説明が記載されていればこれに代えることができるとの考えもありますが、提出書証の整理の意味も込めて、別途きちんと作成することも考えられます。

 この相手方に送付すべき文書の写し及びその証拠説明書については、原則は裁判所を通じて相手方に送付されますが、当事者は相手方に直送もできます(規137A)。

 直送という制度がファクシミリの利用を前提とするところ、書証についてはその体裁がバラバラであったり、重要部分の記載や陰影等が不鮮明になれば意味がなかったり、準備書面に比して多量になることもあるなどの理由から、裁判所を通じての送付が原則とされました。

 しかし、双方代理人の事務所の位置関係から、文書の写し及びその証拠説明書の直接交付や郵送交付が可能であれば、これらの方法による直送が望ましいと考えます。

 この場合、直送が必要とされる場合に準じて受領書面(又は文書の写し及びその証拠説明書に対する受領印)を実施し、整理の意味も込めて証拠説明書に直送した書証の番号を明示するなどされるべきです。

 なお、録音テープ等を反訳した文書をもって書証の申出をする当事者は、相手方の要求があれば、その録音テープ等の複製物を交付しなければなりません(規144)。

 実際に文書を提出して証拠の申出をするのは、期日に文書の原本等(規143@)を現実に提出してすることになりますので、原本の整理整頓が必要なことに変わりはありません。

B 文書提出命令、文書送付嘱託

 今回の改正では文書提出命令の対象となる文書の範囲が拡大されました(法220列挙文書(1号から3号)と一般義務化(提出拒絶事由を列挙)(4号))。

 書証提出の一方法である文書提出命令を申し立てることは証拠申出の一種ですから、文書提出命令申立書(反論書(規140A)、文書の特定のための手続の申出書(規140B)も同様)は証拠申出書(規99条A)として、準備書面の場合と同じく、裁判所に対しファクシミリにて提出でき、原則として当事者間の直送が必要となり、直送を受けた当事者は受領書面の提出と直送が必要となります。

 これは文書送付嘱託申立(法226)の場合も同様となります。

C 準文書

 図面、写真、録音テープ、ビデオテープ等は、文書に準ずるもの(準文書)として、文書の証拠調べの手続が準用されています(法231,規147)。従来奈良においては「検甲○号証」として提出され、書証目録に整理されているものです。

 これらの準文書のうち、写真又は録音テープ等(規68@前段)の証拠調べの申出をするときは、申出をする前にその準文書の複製物(裁判所と相手方用)を裁判所に提出するとともに、準文書の標目、作成者及び立証趣旨、撮影、録音、録画の対象ならびにその日時及び場所を明らかにした証拠説明書(裁判所と相手方用)を裁判所に提出しなければなりません(規148)。

 準文書の複製物を相手方に直送することが可能であるとしても、基本的に直接交付又は郵送交付となるでしょう。

 また、録音テープ等の証拠調べの申出をした当事者は、裁判所又は相手方の求めがあるときは、当該録音テープ等の内容を説明した書面(その録音テープ等を反訳した書面を含む)を裁判所に提出し、相手方に直送しなければなりません(規149@、A)。

 この書面による説明内容について意見がある相手方は、意見を記載した書面を裁判所に提出しなければなりません(規149B、明文はないが直送も必要)。

 なお、奈良における実務では、録音テープを証拠として提出する場合、「検甲○号証」として提出し、反訳文を別に「甲○号証」として提出しています。厳密に言えば録音テープのみが準文書としての証拠となり、反訳文は録音テープの説明文書として検号証に枝番を付して提出すべきかもしれません。

 なお、東京方面では写真や録音テープも一連の甲号証又は乙号証として取り扱われているそうです。

 なお、写真や録音テープ等について、書証としてではなく検証の申出をする場合(法232、規150)、規則上は書証に関する規定は準用されていませんが、複製物の提出や証拠説明書の提出直送とその記載事項については準文書の場合と同様にすべきであると考えます。

D 文書及び準文書の成立を否認する場合における理由の明示

 文書及び準文書の成立を否認する場合にはその理由を明示しなければならないこととなりました(規145、147)。この明示は準備書面により行われることになるでしょう。

 7 証人尋問、当事者尋問

@ 集中証拠調

 今回の改正のもう一つの眼目として、集中証拠調べが原則とされたことが挙げられます。すなわち、証人尋問や当事者尋問は、充実した口頭弁論や争点整理手続により整理された真の争点について、争点整理後の最初の期日に集中して行われるべきことになります(法182、規則101)。

 これにより、審理の無益な長期化が避けられ、また尋問を直接聞いた裁判官が新鮮な心証のもと判決又は和解を行うことができることとなります。

 一方、代理人弁護士としては、集中証拠調べは一回勝負であると肝に銘じ、当事者とともに十分準備する必要があります。

A 証人尋問(法190〜206)、当事者尋問(法207〜211)

 証人や当事者本人の申出は証拠申出書(規99A)によりできる限り一括してしなければなりません(規100)。

 この尋問の申出においては、証人を指定し、尋問に要する時間を明らかにしなければなりません(規106、127)。

 また、尋問の申出をする場合にはできるだけ個別的かつ具体的な尋問事項書を提出しなければなりません(規107B)。

 集中証拠調べを前提とする限り、尋問時間の管理のための尋問時間の明確化と、相手方当事者の反対尋問の便を図るための詳細な尋問事項書の提出が必要とされる次第です。

 もちろん、証人尋問の申出をした当事者は証人が期日に出頭するよう努力しなければなりません(規109)

 証拠の申出書と尋問事項書は、準備書面と同様、裁判所に提出するとともに原則として相手方に直送しなければなりません(規99、83、107)。

 なお、尋問事項書は、証人を呼び出す場合には、証人に対する呼出状に添付して証人に送達されますから(規108)、今までと同様、裁判所には2通提出することが必要です(規107)。

 なお、尋問の際に使用する文書がある場合には、いわゆる弾劾証拠を除き、尋問の開始の相当期間前までにその文書(又は写し)を提出しなければなりません(規102)。

B 証人尋問、当事者尋問の方法

 具体的な証人尋問、当事者尋問の方法として、証人等が遠隔地に居住する場合のためにテレビ会議システムによる尋問(法204、210、規123、127)が新設されました。

 また証人尋問の場合だけですが、従来簡易裁判所で行われていた証人尋問に代わる書面の提出(法205)の制度が地方裁判所においても新設されました。

 この場合、相手方当事者の反対尋問権の保証のため、当該書面において回答を希望する事項を記載した書面を提出することもできます(規124)。

 8 口頭弁論調書(法160)

 争点整理と集中証拠調べを前提として、書記官事務の合理化も目的として、期日の調書の合理化が図られました。

 口頭弁論調書、争点整理手続等の調書などの作成は基本的には従来どおりですが、集中証拠調べが実施されることを前提として、裁判長の許可があったときは、証人、当事者本人又は鑑定人の陳述を録音テープ又はビデオテープに記録し、これをもって調書の記載に代えることができるようになりました(調書の記載に代わる録音テープ等への記録、規68@)。

 これは、集中証拠調べを前提とした場合や公示送達事件など、裁判所も当事者も判決書の作成や次回期日の準備等の理由で証人等に陳述が記載された調書を使用する必要性に乏しいことが考えられるため、また上訴の可能性が低い事件においては上訴裁判所がこのような調書を利用することを見込む必要性にも乏しいためこのような制度が新設されたのです。

 この場合、当該録音テープ等が訴訟記録の一部(法91C参照)となります(調書記載の省略(民事保全手続(民事保全規則7、8)などと異なる)。

 しかし、当初の予想に反して上訴の準備等で証人等の陳述を記載した書面が必要となる場合もあるので、訴訟が完結すまでに当事者の申出があった場合などには、証人の陳述を記載した書面を作成することとされました(規68A)。

 この書面は当該録音テープ等の内容を理解するための参考とする説明資料的な性質とされており、書記官が要領調書的に作成することも、書記官以外の者が録音テープ等に基づき作成することも可能と解されているようです。

 当事者側としては、参考とは言え、この書面に誤りや誤解をまねく表現がある場合などには、裁判所に注意を喚起する意味での申出をするべきでしょう。

 9 判 決

 以上のように、争点整理と集中証拠調べを前提として審理が終われば、原則として口頭弁論終結から2ヶ月以内に判決言渡期日となります(法251)。

 判決の言渡しは原則として判決書の原本に基づいてなされることは従来どおりです(法252)。この判決書は争点を中心に判断事項を記載するいわゆる新様式判決となることが規定されました(法253A)。

 ただし、一定の場合には判決書に基づかない判決の言い渡しも可能となりました(判決書に代わる調書、いわゆる調書判決(法254))。

 いずれにせよ、判決書や判決書に代わる調書は双方当事者に送達されます(法255)。

 なお、控訴状の提出裁判所が第1審裁判所に限るとされたことにともない、(法286@)、判決確定証明書(規48)を第1審裁判所の書記官に請求する場合、上訴の提起なきことの証明書の提出が不要となりました。

 なお、仮執行宣言付判決に対する執行停止の要件(法398〜400、規239)も細分化されましたので、一審敗訴時に限らず注意が必要です。

 10 和 解

 和解により訴訟が終了する場合にも、合理的な和解手続を進めるため、和解条項案の書面による受諾(法264)や裁判所等が定める和解条項(法265)の制度が新設されました。今まで以上に当事者本人との間で和解の内容、意味について誤解なきように十分に確認しておくことが必要です。

 11 書記官事務の見直し

 なお、今回の改正では、コートマネージャーとしての書記官の権限と事務の見直しがなされました。

 まず、書記官権限の拡充については、訴状の補正の促し(規56)、参考事項の聴取(規61)、期日外釈明(法149)、証明すべき事実の調書記載(規86、90、93)など従来の慣習を法的に明記し、かつ調書判決(法254)、支払督促(規382)、訴訟費用額の確定(法71)、公示送達(法110)、文書送付嘱託などの各種嘱託(規31A)などを書記官権限として新たに創設しました。

 また、書記官事務の合理化として、送達事務を合理化して送達すべき書類を訴訟上重要な効果が生じるものに限定し、さらに供述録取事務の合理化として、調書の記載に代わる録音テープ等への記録(規170)を制度化するなどの改正がなされています。


 

第3 その他の改正

 今回の民事訴訟法の改正は、その他にも重要なものがあります。

 例えば、第1審で十分な争点整理と集中証拠調べがなされることを前提に、控訴審においては控訴提起後50日以内に原判決の取消事由を明記した書面の提出を義務づけられ(規182)、攻撃防御方法の提出期限が定められた場合は攻撃防御方法提出遅延の理由を裁判所に対し説明しなければなりません(法301)。

 また、最高裁判所に対する上告が憲法違反などの列挙された事由の場合のみに認められることとなり(法312)、それ以外の場合は上告受理申立を行わなければなりません(法318)。

 上告状も上告受理申立書も原裁判所に対して行います(法314、318D)。

 第1審において当事者が著しく多数でかつ尋問すべき証人又は当事者が多数である訴訟(大規模訴訟)に関し特則が定められました(法268、269、規165〜167)。

 例えば、裁判所から、判決書の作成などの場合に、当事者が裁判所に提出した書面に記載した内容を記録したフレキシブルディスク等の提出を求められることがあります(規167)。

 簡易裁判所においては、30万円以下の金銭の支払いの請求を目的とする訴えについて、審理を一回で終わらせ即日判決を下す少額訴訟手続(法368〜381)が新設され、また、従来の支払命令が書記官が行う支払督促となる(法382〜397)などの改正がなされました。支払督促においては、既判力がないことになりましたが、従来どおり、督促を受けた当事者に争いがある場合には期限に遅れないよう異議を申し立てることは必要です。

 また、多量の支払督促手続に対応するため、電子情報処理組織(OCR:光学的文字読みとり)による処理が特定の簡易裁判所で認められ、専用の書式が定められています(法397、規238)。


 

第4 経過措置と今後の取り扱い

 この改正民事訴訟法と民事訴訟規則は平成10年1月1日施行ですが、原則として施行以前に生じた事項にも適用されます(法附則3、規附則3)。例外の事項は、例えば調書記載の代替ないし省略に関する規定(規68)は施行前にされた証人等の陳述に適用されない(規附則6)などですが、いずれも個別に明記されます。

 まだ新しい法律と規則が施行されて間もないことでもあり、また必ずしも弁護士(会)や裁判所によっても解釈や運用に差があることでもあり、様々な問題や疑問が生じることが予想されます。

 たとえば、準備書面等のファクシミリ提出や直送が原則とされましたが、裁判所や法律事務所のファクシミリの環境整備とその影響(夜間休日時の受信体制、多量の送信による紙切れ対策、通話中の連続など)は未だ未知数です。事務所としてはファクシミリ送信の記録の保存やエラー通信の保存なども必要となるでしょう。

 裁判所に提出する書面の規格については、従来よりB5番又はB4番二つ折りに統一し右側に余白部分をもうけることが事実上要請されています。

 奈良弁護士会と奈良地方裁判所との間では、従来からも民事裁判の充実のための懇談会や新民事訴訟法の勉強会を行っており、今後、新民事訴訟法のもとでの審理の進め方や事務手続きについても率直な意見交換を行うこととなっています。もし疑問やトラブル(対裁判所、対相手方、対依頼者を問わず)が有れば、今後の改善に役立てる必要がありますので奈良弁護士会に適宜報告いただくよう、よろしくお願いいたします。

以 上


 

【参考文献】


1 新しい民事訴訟の実務−事例に即した解説を中心として−
最高裁判所事務総局民事局監修(法曹会)

2 条解民事訴訟規則
最高裁判所事務総局民事局監修(司法協会)

3 新民事訴訟法のもとでの審理のあり方
判例タイムス938号

4 新民事訴訟法実務ガイドブック
第1東京弁護士会


【資 料】


ファクシミリを利用して裁判所に提出することができない書面の代表例



1 民訴費用法の規定により手数料を納付しなければならない申立にかかる書面
(民事訴訟規則3条1項1号)
 忌避の申立書(法24条1項、214条1項、規10条2項、130条1項)
補助参加申出書、独立当事者参加申出書(法43条1項、規20条)
訴状(法133条1項)
反訴状(法146条2項、133条1項)
 訴え提起前の証拠保全の申立書(法235条2項、規153条1項)
 控訴状(法286条1項)
 上告状(法314条1項)
 上告受理申立書(法318条5項、314条1項)
 特別上告状(法327条2項、314条1項)
 抗告状(法331条本文、286条1項)
 再抗告状(法331条ただし書、314条1項)
 特別抗告状(法336条3項、327条2項、314条1項)
 抗告許可申立書(法337条6項、313条、286条1項)
 手形・小切手訴訟の終局判決に対する異議申立書
(法357条、367条2項、規217条1項、221条)
 少額訴訟の終局判決に対する異議申立書(法378条1項、規230条、217条1項)
支払督促申立書(法384条、133条1項)
 執行停止の申立書(法398条1項、規239条)

2 その提出により訴訟手続の開始、続行、停止又は完結をさせる書面(同項2号)
 除斥の申立書(法23条2項、規10条2項)
 受継の申立書(法124条、規51条1項)
 訴えの取下書(法261条3項)
 請求の放棄又は認諾をする旨の書面(法266条)
 控訴の取下書(法292条2項、261条3項)
 手形・小切手訴訟の終局判決に対する異議申立ての取下書(法360条3項、367条2項、261条3項)
 少額訴訟の終局判決に対する異議申立ての取下書(法378条2項、360条3項、261条3項)
 支払督促に対する督促異議申立書(法390条、393条)

3 訴訟手続上重要な事項を証明する書面(同項3号)
 資格証明書(規15条、18条)
 訴訟委任状(規23条1項)
 鑑定人の宣誓書(規131条2項)

4 上告理由書、上告受理申立て理由書その他これらの準ずる理由書(同項4号)
上告理由書(法315条1項)
上告受理申立て理由書(法318条5項、315条1項)
 特別上告理由書(法327条2項、315条1項)
 再抗告理由書(法331条ただし書、315条1項)
特別抗告理由書(法336条3項、327条2項、315条1項)
 抗告許可申立て理由書(法337条6項、315条1項)


送付・直送を要する書面の代表例


1 当事者間での直送を要する書面(規則47条1項)
(写しの交付又はFax送信による)
 訴訟費用額の確定等を求める申立書及び費用計算書(規24条2項)
 準備書面に引用した書面の写し(規82条2項)
答弁書その他の準備書面(規83条1項)
準備書面を受領した旨を記載した書面(規83条2項)
 証拠申出書(規99条2項):文書提出命令申立書、文書送付嘱託申立書も含む
尋問事項書(規107条3項)
証拠申出書・尋問事項書を受領した旨を記載した書面(規99条、83条2項)
鑑定を求める事項を記載した書面(規129条2項)
 書証添付の訳文(ただし書証の写し及び証拠説明書の直送をするとき)
(規138条1項)
 文書の特定のための手続の申出書(規140条3項、99条2項)
 録音テープ等の内容を説明した書面(録音テープ等を反訳した書面を含む)
(規149条2項)

2 裁判所(書記官)からの送付を要する書面(規則47条1項、2項)
(写しの交付又はFax送信による)
 訴訟告知書:相手方当事者に対し:規22条3項
 鑑定事項書:鑑定人に対し:規129条4項
 書証の写し、証拠説明書:相手方当事者に対し:規137条
ただし直送をすることもできる。
 手形・小切手訴訟から通常の手続に移行した旨を記載した書面:被告に対し
:法353条3項、367条2項
 手形・小切手訴訟の終局判決に対する異議申立書:相手方当事者に対し
:規217条2項、221条
 少額訴訟の終局判決に対する異議申立書:相手方当事者に対し
:規230条、217条1項
 


訴状の記載事項と根拠法規

当事者・法定代理人の氏名(名称)・住所:法133条2項1号、規2条1項1号
郵便番号、電話番号、ファクシミリ番号:規53条4項
送達場所及び送達受取人の届出、届出場所と当事者等との関係:
法104条1項、規41
事件の表示:規則2条1項2号
請求の趣旨:法133条2項2号
請求の原因(請求を特定するのに必要な事実):法133条2項2号
請求を理由づける事実:規53条1項
請求を理由づける事実に関連する事実で重要なもの:規53条1項
証拠:規53条1項
附属書類の表示:規2条1項3号
年月日:規2条1項4号
当事者又は代理人の記名押印:規2条1項柱書
裁判所の表示:規2条1項5号
(証拠保全のための証拠調べを行った裁判所及び証拠保全事件の表示:規54)



答弁書の記載事項と根拠法規



事件の表示:規則2条1項2号
当事者・法定代理人の氏名(名称)・住所:規2条1項1号
郵便番号、電話番号、ファクシミリ番号:規53条4項、80条3項
送達場所及び送達受取人の届出、届出場所と当事者等との関係:
法104条1項、規41
請求の趣旨に対する答弁:規80第1項
訴状に記載された事実に対する認否:規80条1項
抗弁事実:規80条1項
抗弁事実に関連する事実で重要なもの:規80条1項
証拠:規80条1項
附属書類の表示:規2条1項3号
年月日:規2条1項4号
当事者又は代理人の記名押印:規2条1項柱書
裁判所の表示:規2条1項5号

以 上