5 おわりに

 

 最後に、前述したデジタル著作物の特徴を踏まえて、ネットワーク上のデジタル著作物保護に関する新しい潮流について簡単にご説明しておきたいと思います。

 (画面を「電子透かし技術(Digital Watermark)による著作権保護」へ移動)

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 この点で述べておきたいのは、技術による著作権保護ということです。裁判や法律によって新たな規制を作るよりも、技術により解決できるのであれば、そのほうが望ましいわけです。

 この点との関連で、電子透かし技術(Digital Watermark)、すなわち、人間の目や耳で知覚できない形で著作権情報をコンテンツに埋め込んで著作権管理を行う方法による著作権保護という方法が注目されています。埋め込まれた情報はコンテンツの加工や改竄に対しても耐性を有することになり、後日、著作権侵害を追及する際の証拠となります。しかし、これでは、どこで誰が著作権侵害をしているかを積極的に知る手だてに乏しいと思われるかもしれませんが、中には、埋め込んだ電子透かしをターゲットとする検索ロボットを使った著作権侵害の追及を予定している会社もあるように聞いています。

 

(画面を「Electronic Copyright Management System」へ移動)

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 次に、現在では、デジタル著作物の電子ネットワークを通じた流通に関する新たな潮流として、電子的著作権処理システム(ECMS: Electronic Copyright Management System)が脚光を浴びています。

 

(画面を「COPYMART」へ移動)

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 その代表的なもののひとつとして、COPYMARTがあります。

 これは、ネットワーク上に、民間の事業として、著作権データを登録するデータベースと、著作物を収納したデータベースからなる著作権を自由に取引する市場を構築して、権利者は、コピー・マートに自己の著作権を登録し希望する取引条件を自由に設定して提示するというものです。利用者が著作権情報の提供を受けコピーマートに登録された著作物のコピーを入手すると権利者の口座にライセンス料が振り込まれます。権利者と利用者は、この市場を利用して直接著作権契約を締結することになります。

 

(画面を「超流通(Superdistribution)」へ移動)

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 また、筑波大学の森亮一先生による超流通(Superdistribution)も有名です。流通させようとするディジタル情報に、対価を得るべき権利者のリストや対価の種類に関する情報(超流通ラベル)を不可分の形でリンクさせておきます。ハードウェアに搭載した超流通ラベルリーダが、超流通ラベルを解釈して、その記載条件によりディジタル情報の利用を制御し、使用記録を作ります。この使用記録を回収して料金を精算するというものです。

 

(画面を「music.co.jp社のディジタル・モール」へ移動)

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 現にわが国でも、music.co.jp社が、ディジタル権利センターとディジタル・モール(ディジタル・コンテンツ配信事業)を運営し、音楽などのデジタル・データを、ネットワークを介してユーザーの手元まで直接送り届けるというビジネスをしています。このようなダウンロードによるノン・パッケージ型流通が登場した背景には、少額電子決済サービスの登場と、電子透かし技術(Digital Watermark)など著作権保護技術の実用化という事実があります。

 

 このような仕組みが果たして成功するかどうかについては、現時点では全く予想が付かない状態です。

 しかし、インターネットを理解できない人々がイニシアティブをとって法律で規制を加えることになれば使い勝手の悪いシステムになってしまうおそれも少なくありませんので、それよりも、このような新しい潮流が成功することを願ってやみません。

 それでは、そろそろ時間も参りましたので、この辺で藤本先生にバトンタッチさせていただきます。

 ご静聴、有り難うございました。

以 上

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